日本人なら誰でも知っていると言っても過言ではない「浦島太朗」がどんなバレエになっているんだろうとワクワクしながら劇場に向かったのですが、これが、想像以上でした!演出の森山開次さんワールドであっという間に時間が過ぎていきました。
圧倒的な色彩感
1幕はじめは美しい松のある日本の浜辺のシーンから。やんちゃな子供たちにいじめられている亀を浦島太郎が助けるというお馴染みのシーンです。無事に亀を海に帰すのですが、そこから亀は、海の生き物たちを従えてお礼を伝えに亀の姫として浦島太郎の元に戻ってきます。
亀の姫が、「あの時助けていただいた亀です。」と聞こえてくるように、美しくお辞儀をします。プリンシパルの米沢唯さんの所作が繊細で透明感溢れていて、幕が閉まるまでずっと可憐でした。
物語通りに海に案内されるのですが、プロジェクションマッピングを駆使した演出と、それぞれの衣装の色が繊細で美しくて感動しました。朱や茜色というような赤や、お魚さんたちの薄藍や浅葱色などの青から緑、日本の良さってこういう色彩にもあるなあとうっとりします。
日本の伝統の音楽
要所要所に、弦楽器や太鼓、笛の音など、日本の楽器を取り入れていて、どこか懐かしい音作り。それでいて一つのバレエ作品として盛り上がりもあり、完成度が高いなぁと感じました。
コメントを残す